横浜・山手の丘に佇む岩崎博物館をご覧いただいた方は、その堂々とした煉瓦建築に心を奪われたのではないでしょうか。この建物に使われている煉瓦は、弊社・株式会社岡田煉瓦製造所がかつての旧式の窯で焼成したものです。当時は上下で100度以上もの温度差が生じるなど、焼成条件は非常に厳しく、製品の品質を一定に保つことが難しい時代でした。製造現場では、安定した煉瓦を作るために、多くの試行錯誤と労力が費やされていました。
しかし、そうした困難な環境の中で生まれた「焼きムラ」や「色合いのばらつき」は、結果として非常に味わい深く、唯一無二の表情を煉瓦に与えました。この現場に携わった弊社会長・岡田も、岩崎博物館の仕上がりを「最高傑作」と称しています。
現代の窯は「品質の安定化」を前提に設計されており、同様の色幅や風合いを再現するには、ロットを細かく分けるなど非常に手間がかかります。また、当時の焼成環境で偶然生まれた美しさを超えることは、容易ではありません。
この建物は、煉瓦という素材が持つ“偶然の美”と、職人たちの“想い”が積み上げられた象徴ともいえる存在です。今後とも、私たち岡田煉瓦製造所の製品にご理解とご支援を賜れましたら幸いです。