2026.10.16
揺るぎない定番を、つくる。
― 創業130周年、次の100年へつなぐ挑戦 ―
岡田煉瓦製造所は1897年創業。2027年に創業130周年を迎えます。130年という年月を振り返ると、よくここまで続いてきたものだと思います。しかし、130年続いてきたからといって、この先も続いていけるとは限りません。現在、煉瓦を取り巻く市場は縮小を続けています。もちろん、企業として努力を重ねることは大切です。生産性を高め、品質を磨き、新しいお客様を開拓する。その積み重ねは、これからも欠かせません。しかし、市場そのものが縮小している中では、少しずつ改善を重ねるだけで、経営状況を大きく変えることは難しいと感じています。一企業の努力だけでは変えられない、大きな時代の流れがあります。振り返れば、岡田煉瓦製造所も130年近い歴史の中で、何度もそうした変化に直面してきたのでしょう。そのたびに先代たちは、時代に合わせて商売のあり方を変え、会社を次の世代へとつないできました。そして今、私たちもまた、新しい時代の流れに向き合っています。
これまでと同じことを続けているだけでは、次の100年は難しい。
だからこそ、時代の大きな流れに負けないだけの、もっと強い力を持たなければならないと考えています。
老舗の強さとは、何だろう。
では、岡田煉瓦製造所は、どこにその力を求めるのか。私が思い浮かべるのは、なごやん、大あんまき、赤福です。食べ物ばかりなのはご愛敬ですが、どれも名前を聞けば商品が思い浮かびます。そして、その商品を通じて、つくっている会社やお店の存在も知られています。長い歴史を持つだけでなく、長く愛される定番商品がある。そこに、老舗企業の強さがあるのではないでしょうか。もちろん、煉瓦とお菓子では商売の仕組みが違います。煉瓦は毎日買っていただくものではありませんし、一度施工すれば何十年も使われることがあります。それでも、「岡田煉瓦といえば、あの煉瓦」と思い浮かべてもらえる商品を持ちたい。時代が変わっても、必要とされたときに選んでいただける。市場が縮小する中でも、選ばれ続ける理由を持つ会社になりたい。そのためには、岡田煉瓦製造所が持っている強みを、もっと大きな力に変えていく必要があると考えています。

歴史を信頼に、発信を認知に。
弊社には、1897年から煉瓦をつくり続けてきた歴史があります。日本最古の煉瓦メーカーとしての歴史は、弊社にとって大きな財産だと考えています。この歴史は、今から新しくつくろうと思っても、つくれるものではありません。しかし、歴史があるというだけで、お客様に選んでいただけるわけではありません。その歴史を知っていただき、今も煉瓦をつくり続けている会社だと認識していただく必要があります。そこで大切にしているのが、「顔の見える煉瓦屋」です。どんな人が、どんな場所で、どのような考えを持って煉瓦をつくっているのか。ホームページのコラムや日々の発信を通じて、できるだけ伝えていきたいと思っています。歴史を信頼に変え、発信によって認知を広げる。そして、会社を知っていただくだけでなく、実際に選んでいただける商品を持つ。
歴史、認知、定番商品。
この3つが結びついたとき、岡田煉瓦製造所は、今までとは違う強さを持てるのではないかと考えています。

自然と選ばれてきた「251」。
その定番商品として育てていきたいのが、弊社の舗装用煉瓦「251」です。弊社では、煉瓦の形状を区別するために「111」から始まる3桁の品番を、順番に振ってきました。「251」も、その中の一つです。特別な意味を込めてつけた番号ではありません。これまでのお客様のニーズを考え、製造設備との相性や生産性を追求していくと、自然と「251」という煉瓦が選ばれるようになりました。弊社にとっては、最も生産性の高い煉瓦。お客様にとっては、価格がお手頃で、使いやすい煉瓦。製造する側にも、使う側にも合理的な商品として、「251」は自然と特別な存在になっていったのです。高級品だからフラグシップなのではありません。長く安定してつくることができ、お客様にも選んでいただきやすい。そんな「究極のスタンダード」として、改めて「251」を弊社のフラグシップ商品にしたいと考えました。

岡田煉瓦は、運がいい。
私は、岡田煉瓦製造所は運のいい会社だと思っています。130年近い歴史の中では、何度も厳しい時代があったはずです。もちろん、先代たちの努力があってこそですが、それだけでは説明できないような「運」にも恵まれてきたのではないかと感じています。そして今回、「251」を弊社のフラグシップ商品として改めて紹介しようと考えたとき、ふと思ったことがあります。
「251」という数字は、もしかしたら運気の強い番号なのではないか。
製造の合理性や価格の面から、自然と選ばれてきた煉瓦。その品番が、たまたま「251」だった。この数字にも何か特別な意味があるのではないかと思い、調べてみました。そして、行き着いた答えが、
「251 ― つごーがいい」
でした。驚きました。弊社にとって生産性が高く、お客様にとっても買いやすく、使いやすい煉瓦。まさに「つごーがいい」煉瓦だったからです。商品に合わせて考えた名前ではありません。長年使ってきた品番に、商品の特徴をそのまま表すような言葉が見つかったのです。こんなに都合のいい偶然があるのでしょうか。私は改めて、岡田煉瓦製造所は本当に運のいい会社だと感じました。もちろん、運がいいだけで商品が売れるわけではありません。それでも、この巡り合わせを大切にしたい。「251 ― つごーがいい」。この名前とともに、長く愛される定番商品に育てていきたいと思っています。
これからの100年を、30秒に込めて。
創業130周年を一つの節目として、「251」を紹介する30秒ほどのショート動画を制作しようと考えています。動画では、成形、乾燥、窯積み、焼成といった煉瓦づくりの工程をたどり、最後に、実際に舗装された風景へとつなげていく構想です。
「成形に、つごーがいい。」
「乾燥に、つごーがいい。」
「窯積みに、つごーがいい。」
「焼成に、つごーがいい。」
そして、
「お客様にも、つごーがいい。」
30秒という短い時間で、煉瓦のすべてを説明することはできません。それでも、まずは「251」という煉瓦を知っていただきたい。土の質感、機械の動き、窯の炎、完成した煉瓦の美しさ。日々の煉瓦づくりの風景を通じて、岡田煉瓦製造所らしい動画にしたいと考えています。現在は絵コンテを作成し、映像の方向性を検討している段階です。一本の動画をつくったからといって、すぐに定番商品になるわけではありません。それでも、この30秒を「251」を長く育てていくための第一歩にしたいと思っています。
次の世代へ、バトンを渡すために。
130年続いてきた会社を、ただ守るだけではいけないと思っています。次の世代が、さらに50年、100年と続けていける会社にして渡したい。そのためには、これまでの歴史に頼るだけでなく、これからも選ばれ続ける理由をつくらなければなりません。「日本最古の煉瓦メーカー」という歴史。「顔の見える煉瓦屋」という発信。そして、「251 ― つごーがいい」という定番商品。この3つを、岡田煉瓦製造所のこれからを支える柱に育てていきたいと考えています。もちろん、定番商品は宣言しただけで生まれるものではありません。お客様に知っていただき、使っていただき、長く選んでいただく。その積み重ねが必要です。私の代で、そこまでの土台をつくりたい。次の世代に、安心してバトンを渡せる会社にしたい。創業130周年を、そのための新しい出発点にしたいと思っています。
1897年から煉瓦をつくり続けてきた私たちが、これからの100年もつくり続けたい煉瓦。
それが「251」です。





