OKADA BRICK 岡田煉瓦製造所

Column

コラム

「謹製」という言葉に込めて

受け継がれる、
 ものづくりの姿勢

2026.08.04

レンガの色は、なぜ毎回同じにならないのか

― 狙った色に近づけながら、土と窯に向き合う ―

レンガの色について、よく次のようなご質問をいただきます。

「ホームページの画像と色が違う」
「マンセル値で教えてほしい」
「今の色から、もう少しだけ赤くしてほしい」

どれも、材料を選ぶうえで当然のご要望です。ただ、レンガは塗料や印刷物のように、色を数値どおりに再現できる製品ではありません。私たちは目標とする色を定め、その色に近づくよう製造しますが、毎回まったく同じ色にはなりません。

自然素材と窯の条件で色が変わる

レンガの主原料は天然の粘土です。同じ採掘場所でも、層や時期によって鉄分、水分量、粒子の状態などがわずかに異なります。さらに、窯の中の温度、炎の当たり方、酸素の量、置かれた位置によっても焼き上がりは変わります。原料、温度、炎、空気。これらの条件が重なって、レンガの色が決まります。

マンセル値は目安の一つ

マンセル値は、色を共有するための目安として有効です。しかし、レンガは一つの製品の中にも自然な濃淡があるため、一つの数値だけで全体の色を表すことは難しい場合があります。また、屋外の日なた、曇天、室内照明、パソコンやスマートフォンの画面では、同じレンガでも色の見え方が変わります。そのため、できるだけ現物サンプルを自然光の下で確認していただくことをおすすめしています。

「少しだけ変える」ことも簡単ではない

「もう少し赤く」「少し明るく」といったご要望に対し、原料の配合や焼成条件を調整して、狙いの方向へ近づけることはできます。ただし、条件を変えれば、必ず希望どおりの発色になるわけではありません。色だけでなく、濃淡や質感、焼き締まり方などにも影響が出ます。また、弊社では大量生産型のトンネル窯で製造しているため、基本的には弊社指定の色の中からお選びいただいています。例えば、全体を少し明るく見せたい場合は、隣接する明るい色調のレンガを少量MIXすることで、見た目を調整できる場合があります。なお、試作で近い色が出ても、本生産で完全に同じ色になるとは限りません。

サンプルは色の方向性を確認するもの

ホームページの画像や提出サンプルは、色や質感の方向性を確認していただくためのものです。天然原料を焼いて作るため、サンプルと納入品、また製造時期の異なる製品には一定の色幅が生じます。施工時には、複数のパレットから取り出し、色を混ぜながら使うことで、自然な仕上がりになります。

同じにはならない。それでも狙い続ける

レンガは、偶然に色が決まる製品ではありません。私たちは狙いの色を定め、原料や焼成条件を調整しながら、できる限りその色に近づけています。狙った色に近づける。けれど、完全に同じにはならない。それが、自然素材と窯を使うレンガづくりの現実です。

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