2026.08.05
緑豊かな公園には、反対色の「赤」
― レンガの色選び① 反対色で引き立てる ―

前回のコラムでは、レンガの色を「組み合わせ」と「面積」で選ぶ考え方をご紹介しました。今回から、反対色・同系色・ベースカラーの3回に分け、実際の施工事例をもとにレンガの色選びをご紹介します。第1回は、緑豊かな公園に赤いレンガを組み合わせた事例です。
緑の中で、赤いレンガが引き立つ
赤と緑は、色の関係では反対色に近い組み合わせです。反対色は互いの色を引き立てるため、植栽の多い公園では、レンガの赤や赤茶色が自然なアクセントになります。今回の現場でも、花壇や舗装の縁、照明の台座などに赤いレンガを部分的に使っています。公園全体をレンガで覆うのではなく、緑の中に少量の赤を加えることで、景観に温かみとまとまりが生まれています。
やわらかな公園には、角を丸めたレンガ
今回使用しているのは、角を丸めた「タンブル品」です。タンブル加工とは、レンガ同士を当てることで、角や表面にあらかじめ丸みや小さな傷を付ける加工です。新品のレンガでありながら、少し使い込まれたような、やわらかい表情になります。植栽が多く、自然な雰囲気を大切にする公園では、角の立ったレンガよりも、タンブル品の方が周囲になじみやすくなります。
子どもが触れることも考える
公園では、子どもたちがレンガの近くを走ったり、花壇や照明台に手をついたりすることがあります。タンブル加工によって角を丸めることは、見た目をやわらかくするだけでなく、人が触れる場所への配慮にもつながります。加工によってけがを完全に防げるわけではありませんが、公園のように人との距離が近い場所では、色だけでなく形状も考えて材料を選ぶことが大切です。
汚れや小さな傷もなじみやすい
広い公園では、土ぼこりや雨だれ、植物による汚れなどを避けることはできません。表面が均一で整いすぎた材料は、一部分の汚れや欠けが目立つことがあります。一方、タンブル品は、最初から小さな傷や欠けを持つダメージ加工品です。そのため、使用中に付いた汚れや小さな傷も、全体の表情になじみやすくなります。ふとした衝撃によってレンガに傷が付いても、それだけが不自然に目立ちにくいことも特徴です。
完成時だけでなく、その後の景観を考える
公園は、長い年月にわたって多くの人に使われる場所です。完成直後の美しさだけでなく、汚れや傷が加わった後も、自然な景観を保てることが大切です。
緑の中に、反対色の赤を加える。
角を丸め、やわらかな表情にする。
汚れや小さな傷も、景観になじませる。
赤いタンブルレンガは、植物に囲まれ、人が触れ、時間とともに変化していく公園によく似合う材料です。次回は、建物とレンガを近い色でまとめる、「同系色」の使い方をご紹介します。





