2026.08.05
木々に寄り添う、同系色の「茶色」

― レンガの色選び② 同系色でまとめる ―
前回のコラムでは、反対色の「赤」をアクセントとして使う考え方をご紹介しました。今回は、同系色の「茶色」で景観をまとめる事例です。背の高い木々が立ち並び、木漏れ日が床を照らす豊かな公園。このような場所では、レンガを目立たせるのではなく、周囲の自然や素材となじませることで、落ち着いた景観をつくることができます。
木の幹とレンガを、同系色でそろえる
今回の現場では、木々の幹やウッドデッキ、木陰の落ち着いた空気に合わせて、茶色系のレンガを使っています。茶色は、木の幹や枝、土、落ち葉など、自然の中にもともとある色です。そのため、公園のように緑が多く、木の存在感が大きい場所では、レンガを茶色でまとめることで、景観全体に統一感が生まれます。赤いレンガのように色を引き立てるのではなく、周囲に自然になじみながら、空間を整える。これが、同系色を使う魅力です。
細いレンガが、枝のような表情をつくる
この現場で使っているのは、普通レンガの半分の幅しかないヨーカンです。細長い形状のため、一般的なレンガ舗装とは少し違った繊細な表情になります。床全体を見ると、まるで木々から落ちた枝が地面を覆っているようにも見え、自然の気配を感じさせます。同じ茶色でも、太いレンガで構成すると力強い印象になりますが、細いヨーカンを使うことで、木立の中に似合う軽やかさが生まれます。
木漏れ日が、舗装にやわらかな表情をつくる
このような公園では、一日の中でも景色が変わります。朝夕の光、木陰、木漏れ日によって、舗装の見え方は少しずつ変化します。茶色系のレンガは、強く主張しすぎないため、光と影の変化を受け止め、やわらかな表情を見せてくれます。明るい日差しの中では軽やかに、木陰では落ち着いて見える。周囲の自然と一緒に表情を変えていくことも、同系色のレンガならではの魅力です。
目立たせるのではなく、景観に溶け込ませる
公園の舗装は、必ずしも目立つ必要はありません。人が歩き、休み、木を眺める場所では、舗装が強く主張するよりも、空間全体の心地よさを支える存在であることが大切です。木々の幹と同系色の茶色。細いヨーカンによる、枝のようなリズム。そこに木漏れ日が重なることで、自然と人工物が無理なくつながって見えます。
完成時だけでなく、その場所らしさをつくる
レンガの色選びでは、単に「何色がきれいか」だけではなく、その場所にどんな空気をつくりたいかを考えることが大切です。緑の中で赤をアクセントにする方法もあれば、今回のように、木々や土の色に寄り添う茶色でまとめる方法もあります。
木々の幹とレンガを同系色でそろえる。
細いヨーカンで、枝のような表情をつくる。
景観に溶け込みながら、空間全体をやさしく整える。
同系色の「茶色」は、自然豊かな公園に落ち着きと一体感をもたらす色です。





