OKADA BRICK 岡田煉瓦製造所

Column

コラム

「謹製」という言葉に込めて

受け継がれる、
 ものづくりの姿勢

2026.08.05

私の憧れ「インダストリアルナチュラル」

― 黒い鉄骨、黒煉瓦、照明、植栽がつくる心地よい空間 ―

最近、私が惹かれている空間があります。それが、インダストリアルナチュラルです。工場のような無骨さを感じさせる黒い鉄骨や大きなガラス窓。そこに黒や茶褐色のレンガ、あたたかな照明、植栽を組み合わせる。硬質な素材で構成されているのに、冷たすぎない。むしろ落ち着きがあり、長く過ごしたくなる空間になります。私は、そんな無骨さとやさしさが共存する雰囲気に、とても魅力を感じています。

工場のような無骨さを、心地よい空間へ

「インダストリアル」とは、工業的で無機質な雰囲気や、建物の構造を見せるデザインを表す言葉です。黒い鉄骨、アイアンの階段、コンクリート、ガラス、配管など、一般的には隠される構造や素材をあえて見せることで、工場や倉庫を思わせる空間が生まれます。ただし、無機質な素材だけでまとめると、少し冷たく、緊張感のある印象になることがあります。そこに木やレンガ、植物などの自然素材を加え、やわらかく整えたものが、インダストリアルナチュラルです。無骨だけれど、冷たくない。そこが、このスタイルの大きな魅力だと思います。

黒い鉄骨とレンガは相性がよい

インダストリアルな空間と、レンガはとても相性のよい組み合わせです。黒い鉄骨やアイアンのシャープな印象に対して、レンガは、土から生まれた素材ならではの温かみを加えてくれます。黒煉瓦を使えば、鉄骨や窓枠と調和し、空間全体を引き締めることができます。一方、茶褐色の焼過レンガを使えば、無骨さを残しながら、少しやわらかく落ち着いた雰囲気になります。また、一色にそろえすぎず、わずかな色幅のあるレンガを組み合わせることで、壁面や床に自然な奥行きが生まれます。均一すぎない表情は、焼き物であるレンガならではの魅力です。

照明がレンガの表情を引き出す

レンガの魅力は、色だけではありません。表面には凹凸やざらつきがあり、焼成による微妙な色むらもあります。昼間は落ち着いて見える黒や茶色のレンガも、夜になると照明を受けて、まったく違う表情を見せます。壁面を上下から照らしたり、足元に照明を入れたりすると、レンガの陰影が浮かび上がります。黒い鉄骨と黒煉瓦の無骨な組み合わせに、オレンジ色のやわらかな光が加わることで、空間に温かさが生まれます。テラスやアプローチ、店舗の入口など、夜にも人が行き交う場所では、照明とレンガの組み合わせが特に効果的です。黒い鉄骨と黒煉瓦の無骨さを、あたたかな照明がやわらげる。レンガは主張しすぎず、空間全体を支えます。

植栽が無機質な空間をやわらげる

インダストリアルナチュラルをつくるうえで、もう一つ大切なのが植栽です。鉄、ガラス、コンクリート、レンガ。こうした硬い素材の中に植物の緑が入ると、空間に生命感が生まれます。黒い外壁や鉄骨を背景にすると、植物の緑がよく映えます。葉のやわらかな形や、季節によって変わる色が、工業的な空間の緊張感をやさしくほぐしてくれます。大きな庭がなくても、鉢植えや壁際の植栽、テラス脇の小さな緑地を設けるだけで印象は変わります。無機質な素材と自然の緑。対照的なものを組み合わせることで、それぞれの良さが引き立つのだと思います。

レンガは、主役にも名脇役にもなれる

レンガは、空間の主役になることもできます。外壁全体をレンガで仕上げれば、建物に強い存在感が生まれます。一方、テラスやアプローチ、壁の一部、階段まわりなどに使えば、他の素材を引き立てる名脇役にもなります。黒い鉄骨、ガラス、照明、植栽。それぞれの素材をつなぎ、空間に落ち着きを与えることも、レンガの役割です。レンガだけを目立たせるのではなく、建物や庭、照明と一緒になって、空間全体を心地よく整えていく。私は、そうしたレンガの使われ方に魅力を感じています。

流行ではなく、長く愛せる空間へ

インダストリアルナチュラルは、単なる流行のデザインではないと思います。鉄、ガラス、木、レンガ、植物など、本物の素材を組み合わせてつくる空間は、時間が経っても古びにくいものです。特にレンガは、年月を重ねることで少しずつ表情が落ち着き、汚れや色の変化も含めて建物や庭になじんでいきます。完成したときが最も美しいのではなく、使い続けることで魅力が増していく。そこにも、レンガを使う価値があります。

無骨さとやさしさ。
緊張感と落ち着き。
人工的な素材と自然の緑。

その両方が無理なく共存しているのが、私の憧れる「インダストリアルナチュラル」です。黒い鉄骨や照明、植栽とレンガを組み合わせることで、格好よさだけではない、長く過ごしたくなる空間が生まれるのではないでしょうか。

岡田煉瓦のレンガでつくる空間

岡田煉瓦では、黒煉瓦や茶褐色の焼過レンガをはじめ、色幅のあるレンガや、角を丸めたタンブル加工品なども製造しています。外壁、テラス、アプローチ、ガレージ、店舗など、使用する場所や目指す雰囲気によって、似合う色や表情は変わります。

「黒い鉄骨に合うレンガを探している」
「植物や木と調和するテラスをつくりたい」
「無骨だけれど、冷たくなりすぎない空間にしたい」

そのような場合も、建物や周囲の素材に合わせてご提案いたします。レンガ選びに迷われた際は、お気軽にご相談ください。

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