OKADA BRICK 岡田煉瓦製造所

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2026.08.25

レンガはどれくらい強い?― 曲げ破壊荷重試験から考えるレンガ舗装の強さ

「レンガはどれくらいの重さまで耐えられるの?」レンガメーカーとして、よく聞かれる質問の一つです。舗装用レンガは、人が歩くだけでなく、駐車場や車両乗り入れ部などにも使われます。そのため、見た目や色だけではなく、当然「強さ」も重要です。では、レンガの強さはどのように確認しているのでしょうか。今回は、岡田煉瓦で実際に行っている**「曲げ破壊荷重試験」**を通して、レンガそのものの強さと、実際のレンガ舗装の強さについて考えてみたいと思います。

JIS A 5215「舗装用れんが」には強度の基準がある

舗装用れんがには、JIS A 5215「舗装用れんが」という規格があります。車両乗り入れ部などに使用する舗装用レンガでは、曲げ破壊荷重について一定の基準が定められています。今回確認する基準は、50N/mm以上。この数字だけを見ても、どのくらい強いのかイメージしにくいと思います。そこで、実際の試験を見てみましょう。

▲ レンガが破壊するまで荷重をかけ、そのときの最大荷重を測定します。

曲げ破壊荷重試験は、レンガを「橋」のように支える

今回試験したレンガのサイズは、200×100×50mmです。試験では、レンガの両端付近を支点で支え、その中央に上から荷重をかけます。支点間距離は、レンガの長さの80%。200mmのレンガなので、200mm × 0.8 = 160mmとなります。つまり、160mmの間隔でレンガを支え、その中央に荷重をかけて、破壊するまでの力を測定する試験です。

▲ 200mmのレンガを160mmの間隔で支え、中央に荷重をかけます。レンガの下面全体を支えているわけではありません。

ここで重要なのは、実際のレンガ舗装とはかなり違う条件で試験していることです。イメージとしては、「小さな橋をつくって、その真ん中を上から押す」ような試験です。

50N/mmとは、どれくらいの荷重なのか

曲げ破壊荷重は、レンガの幅1mmあたりで評価します。今回のレンガは幅100mmなので、50N/mm × 100mm = 5,000Nとなります。重量に置き換えてイメージすると、約510kgfです。つまり今回の試験体では、中央に荷重をかける条件で、約5,000N(約510kgf)以上に耐えることがひとつの基準になります。

実際に試験してみると、16,200N

では、岡田煉瓦のレンガはどこまで耐えたのでしょうか。今回の試験結果は、16,200Nでした。重量のイメージに換算すると、約1,650kgf。幅100mmで割ると、16,200N ÷ 100mm = 162N/mmとなります。50N/mmという基準に対して、約3.2倍の値です。数字だけを見ると、レンガそのものがかなり強い材料であることが分かります。

▲ 中央から荷重を加え、レンガが破壊するまでの様子。数字だけでは分かりにくいレンガの強さを実際に確認できます。

では、「約1.6tの車が乗っても大丈夫」なのか?

ここで少し考えてみます。試験では約1,650kgf相当まで耐えました。では、「1.6tくらいの車なら、このレンガ1個でも耐えられる」と考えてよいのでしょうか。そう単純ではありません。そもそも自動車の重量は4本のタイヤに分散されます。仮に1.6tの車で、4輪に均等に荷重がかかると単純化すれば、1輪あたり約400kgです。「それなら510kgの基準でも十分なのでは?」と思うかもしれません。しかし実際の車両荷重は、車両重量を4で割るだけでは評価できません。前後の重量配分、走行時の動的な荷重、タイヤの接地状態、路盤や施工条件なども関係します。そして何より、曲げ破壊荷重試験と実際のレンガ舗装では、レンガの支えられ方が違います。

実際のレンガ舗装は、下から支えられている

通常のレンガ舗装では、レンガの下にサンドクッションがあります。適切に施工されていれば、レンガの下面が砂によって支えられ、荷重を下へ伝えていきます。一方、曲げ破壊荷重試験では、レンガを両端で支えて中央に荷重をかけます。つまり、

試験:両端で支持 → 中央に集中荷重

実際の舗装:下面をサンドクッションで支持

という大きな違いがあります。

▲ 左は両端で支えて中央に荷重をかける曲げ試験。右はサンドクッションによってレンガ下面を支える通常の舗装。レンガに荷重が伝わる条件が異なります。

この違いを理解すると、「レンガそのものの強度」だけで舗装全体の強さを判断できない理由が見えてきます。

レンガは「圧縮」には強い材料

レンガは、上から均等に押されるような**「圧縮」の力には強い材料**です。レンガの下面全体がサンドクッションでしっかり支えられていれば、荷重を面で受けることができます。一方、レンガの下に空間ができると、レンガには「曲げ」の力が生じやすくなります。たとえば板を地面に置いて上から踏むのと、両端だけを支えて中央を踏むのでは、同じ板でも壊れやすさが違います。レンガでも考え方は同じです。だからこそ、舗装用れんがでは、レンガそのものが曲げに対してどれだけ耐えられるかを確認することにも意味があります。

レンガが割れやすくなるのは「下に空間ができたとき」

実際のレンガ舗装で注意したいのが、レンガの下の状態です。適切にサンドクッションが敷かれ、レンガの下面がしっかり支えられていれば、荷重を広い面で受けることができます。しかし、長年の使用などによって砂が移動したり、流出したりすると、レンガの下に空間ができる場合があります。たとえば、

レンガの両端は支えられている。
でも、中央部分の下には砂がない。

この状態になると、先ほどの曲げ破壊荷重試験に近い状態になってきます。さらに、レンガの下に小石などがあり、その部分だけでレンガを支えるような状態になれば、局所的に大きな力がかかることも考えられます。レンガそのものに十分な強度があっても、下からどのように支えられているかによって、レンガへの力のかかり方は大きく変わるということです。

レンガの強度が2倍なら、舗装も2倍強い?

ここまで考えると、もう一つ大切なことが分かります。たとえば、「曲げ破壊荷重50N/mmのレンガ」と、「100N/mmのレンガ」があったとします。レンガ単体の曲げ性能には大きな差があります。しかし、100N/mmのレンガを使えば、舗装全体も単純に2倍丈夫になるとは限りません。どれだけ強いレンガを使っても、下地が不安定で、レンガの下に空間ができていれば、本来の性能を十分に発揮できないからです。反対に、サンドクッションを適切に施工し、レンガの下面をしっかり支えることができれば、レンガが持っている性能を十分に生かすことができます。だからレンガ舗装では、「どれだけ強いレンガを使うか」だけでなく、「そのレンガをどう支えるか」も、とても大切なのです。

レンガは強い。でも、施工も大切。

今回の結果をまとめると、

  • 試験体:200×100×50mm
  • 支点間距離:160mm
  • 基準:50N/mm以上
  • 幅100mmの場合:5,000N(約510kgf)
  • 今回の試験結果:16,200N(約1,650kgf)
  • 曲げ破壊荷重:162N/mm
  • 基準に対して:約3.2倍

という結果でした。数字だけを見ると、レンガそのものがかなり強い材料であることが分かります。でも、今回の試験から本当にお伝えしたいのは、「岡田煉瓦のレンガは1.6tまで耐えられます」という話ではありません。実際の舗装では、車両から受ける荷重だけでなく、路盤、サンドクッション、敷き方、使用環境など、さまざまな条件が関係します。レンガ自体の強度を確保する。そして、そのレンガを下からきちんと支える。「レンガの強さ」と「施工の良さ」。この二つが揃って、初めて丈夫で長く使えるレンガ舗装になります。レンガメーカーとして、強いレンガをつくることはもちろん大切です。でも、その強さを生かす施工も、同じくらい大切です。レンガの強度を見るときは、「何N/mmあるか」だけでなく、「そのレンガがどう支えられて使われるのか」まで考える。今回の曲げ破壊荷重試験が、レンガ単体の強さだけでなく、レンガ舗装全体のつくり方まで考えるきっかけになればと思います。

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