2026.05.19
「経年変化」を記録するということ
― 2017年竣工・豊田市KiTARA前歩道を訪れて ―
2017年に竣工した豊田市KiTARA前の歩道。岡田煉瓦では、この場所を「街の経年変化を記録する資料」として、定期的に観察しています。
2026年となり、久しぶりに現地を訪れました。街の中心部ということもあり、多くの人が行き交い、日々さまざまな環境にさらされています。レンガの一部には欠けや汚れも見られましたが、印象的だったのは、紫外線による“退色”や“劣化”のような症状がほとんど見られなかったことです。
レンガは、土を高温で焼き締めてつくられる素材です。表面だけを塗装しているわけではなく、素材そのものが色を持っているため、長い年月の中でも風景に自然と馴染みながら存在し続けます。
今回、周辺で使用されているインターロッキングブロックなども合わせて確認しました。綺麗に維持されている場所もある一方で、退色が目立つ箇所もありました。特に印象として感じたのは、紫外線による劣化というより、薬剤による洗浄やメンテナンスの影響で色味が変化しているケースがあることです。
もちろん、素材ごとに特徴や用途は異なります。ただ、レンガメーカーとして私たちは、「時間と共にどう変化するか」を理解し、その魅力を伝えていく責任があると感じています。新築時だけが美しいのではなく、10年後、20年後、その街にどう馴染んでいくのか。
経年変化を“劣化”ではなく、“景観の積み重ね”として考えられる素材。それがレンガの大きな魅力の一つだと思います。色あせない街並みをつくる素材として、レンガの良さが少しでも伝われば嬉しく思います。






