OKADA BRICK 岡田煉瓦製造所

Column

コラム

「謹製」という言葉に込めて

受け継がれる、
 ものづくりの姿勢

2026.08.29

なぜ、このカタログにしたのか。

一冊に込めた、岡田煉瓦の想い

岡田煉瓦には、レンガの商品や色、サイズ、施工事例などをご紹介するカタログがあります。カタログですから、商品を分かりやすく掲載することはもちろん大切です。でも、今回のカタログをつくるとき、私たちが伝えたかったのは商品だけではありませんでした。

「岡田煉瓦とは、どんなレンガメーカーなのか。」

ページをめくっていただく中で、それも感じてもらえる一冊にしたい。そんな想いを込めています。

横からでも「レンガのカタログ」と分かるように

まず、表紙です。岡田煉瓦のカタログは、レンガを思わせる赤とテラコッタの2トーンカラーを基調にしています。これは単に「レンガらしい色だから」というだけではありません。設計事務所には、さまざまな建材メーカーのカタログが並んでいます。その中からレンガを探すとき、表紙が正面を向いているとは限りません。棚に並んだたくさんのカタログの中でも、横から見て、

「あれがレンガのカタログだ」

と気づいてもらいたい。そんなことまで考えて、この2色を選びました。表紙には、「百三十年の想いを重ね、静かに景色となる。」という言葉を入れています。私たちがつくるレンガも、建物や街の中で主張し続けるのではなく、時間とともにその場所に馴染み、いつか当たり前の景色になっていく。そんなレンガでありたいという想いも込めています。

▲ レンガをイメージした赤とテラコッタの2トーンで構成した岡田煉瓦のカタログ。

昔と今をつないでいる、一本の煙突

表紙を開くと、大きな煙突が現れます。左ページは、岡田煉瓦の歴史。右ページは、現在の岡田煉瓦です。そして、その間をつなぐように立っているのが、私たちのシンボルである煙突です。創業は1897年。それから130年近くの間に、会社も設備も、レンガのつくり方も変わってきました。もちろん、働く人も代替わりしています。それでも煙突は、昔も今も同じ場所に立ち、岡田煉瓦を見守ってきました。だから、この見開きでは、「会社は変わっていく。でも、積み重ねてきた歴史はつながっている。」そんなことを表現したいと考えました。そして、これは私たちの理念、「想いを“カタチ”にして、積み上げる」にもつながっています。レンガを一丁一丁積み上げて景観をつくるように、会社も一日一日の仕事を積み重ねて、今があります。

▲ 左に岡田煉瓦の歴史、右に現在。そして中央には、昔から変わらず岡田煉瓦を見守ってきた煙突を配置しました。

商品より先に「窯」を載せた理由

次の見開きでは、左ページいっぱいに窯の写真を使いました。カタログなのだから、すぐに商品を紹介した方が分かりやすいのかもしれません。それでも、私たちは商品より先に窯を見てほしいと考えました。理由は、とてもシンプルです。レンガは「焼き物」だからです。天然の粘土を使い、成形し、乾燥させ、1000℃を超える火で焼く。同じ原料を使っていても、焼成方法や火の当たり方によって、色や表情は変わります。カタログでも、レンガの色は素材そのものから生まれ、高温焼成によって強さや長く使える性能につながることを紹介しています。そして、もう一つ伝えたかったことがあります。岡田煉瓦は、レンガを仕入れて販売する会社ではありません。自分たちで土と向き合い、自分たちの窯でレンガを焼くメーカーです。そこには、私たちなりの誇りがあります。だから、このページには、「最後は、心。」そして、「『謹製』という言葉に込めて。」という言葉を添えました。機械や設備がどれだけ進歩しても、焼き物であるレンガと最後に向き合うのは人です。商品を紹介する前に、まずそのことを伝えたかったのです。

▲ 商品紹介より先に、大きく窯を掲載。「レンガは焼き物であること」と、自らレンガを焼くメーカーとしての想いを表現しています。

そして、最初の商品は「敷レンガ」

窯とレンガの魅力を紹介した次に、ようやく商品が登場します。最初に見ていただくのは、レンガの色と表情。そして、その次に紹介するのが岡田煉瓦の主力である敷レンガです。ここにも、私たちのこれからの想いを込めています。私たちは、「敷レンガの岡田」と認知していただけるメーカーになりたいと考えています。だから、商品をただ品番順に並べるのではなく、色の魅力を見てもらったあとに、舗装用レンガを最初に紹介する構成にしました。フラグシップモデルの「251」を中心に、半マス、ヨーカン、80mm厚、通水レンガ、透水レンガなど、さまざまな舗装用レンガを掲載しています。公共の広場や歩道から、住宅のアプローチや庭まで。レンガをもっと身近な舗装材として使ってもらいたい。そして、設計する方が敷レンガを探したとき、

「まず岡田煉瓦を見てみよう」

と思ってもらえる存在になりたい。そんな目標も、このページの順番に込めています。

商品だけでなく、「できること」まで

その後のページでは、一般レンガやレンガタイル、特注品に続いて、加工技術、施工事例、技術資料などをご紹介しています。タンブル加工、アンティーク調MIX、刻印レンガ、復元レンガなど、既製品を販売するだけではない岡田煉瓦のものづくりも掲載しました。さらに施工事例では、街路や駅前広場などの公共空間から、住宅をはじめとした民間空間まで、レンガが実際の景観の中でどのように使われているのかをご覧いただけます。そして技術資料では、舗装材として検討するときに必要となる施工方法や標準構造なども掲載しています。これは、「どんなレンガがあるのか」だけで終わらせたくなかったからです。どんなことができるのか。どんな景観になるのか。そして、実際にどう使えばいいのか。設計する方がレンガを使ってみたいと思ったとき、その次の一歩につながるカタログにしたいと考えました。

カタログも、私たちのものづくりの一つ

カタログは、商品の一覧表です。でも、私たちにとっては、それだけではありません。赤とテラコッタの表紙。過去と現在をつなぐ煙突。商品より先に見てもらう窯。そして、最初の商品として紹介する敷レンガ。一つひとつに理由があります。1897年から積み重ねてきた歴史を大切にしながら、これから岡田煉瓦がどんなメーカーになっていきたいのか。それを一冊の中で表現したつもりです。カタログを手に取った方に、商品だけではなく、「岡田煉瓦って、こんな会社なんだ。」と少しでも感じてもらえたら嬉しく思います。そして、レンガを使いたいとき。レンガについて分からないことがあるとき。「こんなこと、できるかな」と思ったとき。「まず岡田煉瓦に聞いてみよう。」そう思っていただけるメーカーになること。このカタログも、そのために積み上げた一つの「カタチ」です。

戻る
consultation レンガに関する
ご相談はこちら
Online Shop オンラインで
レンガを購入する