OKADA BRICK 岡田煉瓦製造所

Column

コラム

「謹製」という言葉に込めて

受け継がれる、
 ものづくりの姿勢

2026.11.06

レンガメーカーが、社会人講師をはじめます。

― ものづくりの現場から、次の世代へ ―

先日、100件目のコラム「岡田煉瓦に必要なモノ。」を書きました。私が目指すのは、岡田煉瓦の「広告塔」であり「語り部」になること。会社の技術や社員の想い、レンガの魅力を世の中に伝えることが、自分自身の役割だと考えています。この考えは以前から持っていましたが、文章にすることで、これから何をすべきなのかが、より明確になってきました。そして、自分の役割が明確になると、これまで考えていなかった挑戦も見えてきます。その一つが、大学などの教育機関で、レンガメーカーとしてお話しすることです。

大学から届いた、うれしいお問い合わせ。

先日、愛知県内の大学で、デザインを学ぶ学生の皆さんにレンガを紹介したいとのことで、サンプルのご依頼をいただきました。授業では、実際の材料を「見て・触れて・知る」ことを大切にされているそうです。また、愛知県がレンガの生産地であることも、学生の皆さんに伝えてくださるとのことでした。とてもありがたいお話です。私たちは毎日レンガを作っています。しかし、建築やデザインを学ぶ学生の皆さんにとって、レンガはどれほど身近な材料なのでしょうか。実物を見たことはあっても、どのような原料から、どのような工程を経て作られるのかを知る機会は、そう多くないのかもしれません。今回のお問い合わせを通じて、レンガメーカーが教育の現場でお役に立てる可能性を感じました。

レンガメーカーだからこそ、話せること。

私は建築家ではありません。施工の専門家でもありません。そのため、レンガの施工方法や建築設計について、専門家として講義をすることはできません。しかし、レンガメーカーとしてなら、お話しできることがあります。例えば、レンガは何からできているのか。粘土をどのように成形し、乾燥させ、焼き上げるのか。同じ原料でも、焼成条件によって色や質感が変わるのはなぜなのか。なぜ、レンガには寸法のばらつきや色むらが生まれるのか。製造設備によって、作りやすい形状と作りにくい形状があるのはなぜなのか。そして、設計者が求めるものを、メーカーはどのように製品としてカタチにしているのか。こうした話は、日々レンガを製造している私たちだからこそ伝えられる内容です。カタログに書かれた性能や寸法だけでは分からない、製造現場の事情や工夫もあります。

材料を使う側と、材料を作る側。

その両方の視点を知ることで、学生の皆さんが材料を見る目も少し変わるのではないでしょうか。

「知っている」から「理解する」へ。

レンガは、単純な直方体の焼き物です。しかし、その一つができるまでには、多くの工程と技術が詰まっています。例えば、レンガの色。赤いレンガと黒っぽいレンガは、必ずしも原料が違うわけではありません。焼成時の温度や窯の雰囲気によって、さまざまな色が生まれます。また、焼成によって収縮するため、成形時の寸法と完成品の寸法も異なります。こうしたことを知ると、レンガは単に「色とサイズで選ぶ材料」ではなくなります。材料の特徴を理解することは、設計の可能性を広げることにもつながると思います。実際のレンガを手に取り、色や重さ、質感を確かめながら、製造の話を聞く。そこに、ものづくりの現場ならではの学びがあると考えています。

こちらから「お話しできます」と伝えてみる。

実は以前、社会人講師として、学生の皆さんの前でお話しした経験があります。普段の仕事とは違う環境で、自分の仕事やものづくりについて伝える機会でした。今回、そのときの写真を見返しながら、改めて考えました。これまでは、依頼をいただいたときにお話しするという姿勢でしたが、こちらから積極的に発信してもよいのではないかと。大学の先生方も、メーカーにどこまでお願いできるのか、分からないことがあるかもしれません。そこで、私たちの側から、

「レンガの製造についてなら、お話しできますよ」

と発信してみたいと思います。それだけでも、声を掛けていただくハードルが下がるのではないでしょうか。最初から大きな講義である必要はありません。授業の一部で製造工程をご紹介することでも、学生の皆さんからの質問にお答えすることでも構いません。写真や動画、実際のレンガを使いながら、ものづくりの現場をお伝えできればと思っています。

私たちにできることから始めたいのです。

【挿入写真:以前、社会人講師として学生の皆さんにお話ししたときの様子】

産学連携という、新しい可能性。

産学連携という言葉を聞くと、大学と企業が共同で研究開発を行うような、大きな取り組みを想像します。もちろん、そうした連携もあります。しかし、企業が持っている知識や技術を学生に伝えることも、教育を通じた産学連携の一つだと思います。大学には、若い世代ならではの発想があります。一方、私たちメーカーには、長年の製造経験や技術があります。その二つが出会うことで、思いもよらない発見が生まれるかもしれません。学生の皆さんにレンガの魅力を知ってもらう。私たちも、学生の皆さんの自由な発想から刺激を受ける。将来的には、商品開発やデザインなど、新しい取り組みにつながる可能性もあると思います。ただし、まずはレンガという材料を知っていただくこと。そこから始めたいと考えています。

Screenshot

大学・専門学校などの教育機関の皆さまへ。

岡田煉瓦製造所では、レンガの製造に関する出張講義のご相談をお受けします。建築設計や施工の専門的なお話はできませんが、レンガメーカーとして、原料、成形、乾燥、焼成、発色、製造上の工夫など、ものづくりの現場についてお伝えすることができます。講義はPowerPointを使用し、写真や動画を交えながら、できるだけ分かりやすくお話しします。また、どのような内容になるのかご不安な場合は、過去に作成した説明資料を参考として事前にお送りすることも可能です。

講義をご希望の際は、次の4点をお知らせください。

① 講義の趣旨・目的

どのような授業で、学生の皆さんに何を学んでほしいのかを教えてください。目的を理解することで、お話しする方向性を考えます。

② ご希望のテーマ

弊社ホームページに掲載している100件以上のコラムをご覧いただき、興味のあるテーマをお知らせください。レンガの歴史、製造工程、焼成による発色、製造設備と形状の関係など、ご希望のテーマを軸に講義内容を組み立てます。複数のテーマを組み合わせることも可能です。

③ 講義時間(30~50分程度)

ご希望の時間をお知らせください。会社紹介、製造工程、発色などを詳しくお話しする場合は、40~50分程度を想定しています。特定のテーマに絞ったり、概要をご紹介する程度であれば、30分程度でも対応可能です。

④ ご希望の日程・場所

開催希望日と大学・キャンパス名をお知らせください。日程を調整のうえ、対応させていただきます。

講義費用と活動紹介について

愛知県内の大学・専門学校等での講義は、講義料・交通費ともに無料です。

県外での講義については、開催場所や内容に応じて個別にご相談させてください。また、講義の際には、可能であれば授業の様子を写真撮影させていただき、弊社ホームページのコラムやSNSでご紹介したいと考えています。これは、私たちの取り組みをより多くの方に知っていただくためです。

「レンガメーカーに講義をお願いしてもいいんだ」

「こんな話をしてもらえるんだ」

そう感じていただくことで、次の大学や教育機関からも気軽に声を掛けていただけるようになるのではないかと思います。もちろん、写真の撮影や掲載については、大学側の方針や学生の皆さんのプライバシーに配慮し、事前にご相談のうえ、許可をいただいた範囲で行います。学生の皆さんのお顔が写らない写真や、講義資料、使用したレンガの写真だけでも構いません。ご協力が難しい場合も、遠慮なくお知らせください。

「レンガを作る側の話を聞いてみたい」

そんなご希望がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

ものづくりの熱を、次の世代へ。

以前のコラムで、私は「文字で情報を、動画で熱を伝える」と書きました。大学でお話しすることも、その延長線上にあります。文字や写真だけでは伝えきれない、ものづくりの面白さ。窯の迫力や、焼き上がったレンガの表情。職人が積み上げてきた技術や、製造現場で生まれる工夫。そうしたものを、自分自身の言葉で伝えたいと思っています。そして、講義を行うことだけで終わらせず、その経験も一つの物語として発信していきたいと考えています。私たちの活動を知った別の大学から、新しいご相談をいただく。その出会いが、また次の物語につながっていく。そんな循環を生み出していきたいのです。100件のコラムを書いたからといって、私たちの物語が完成したわけではありません。むしろ、ここからが新しい始まりです。

100の物語から、200、300、400へ。

それは単にコラムの本数を増やすということではありません。学生の皆さん、先生方、設計者、お客様、地域の皆さん。新しい出会いや挑戦を通じて、岡田煉瓦に関わる人たちの物語を増やしていくということです。レンガを作るだけでなく、その背景にある技術や想いを伝える。そして、伝えることで新しい出会いを生み、その出会いをまた次の物語へとつないでいく。大学での講義も、そんな取り組みの一つになればと思っています。

レンガメーカーだからこそ伝えられることを、次の世代へ。

戻る
consultation レンガに関する
ご相談はこちら
Online Shop オンラインで
レンガを購入する