2026.08.21
レンガ補修の現地調査のポイント

建物や舗装のレンガを補修するとき、私たちが一番に考えることがあります。それは、「新しいレンガと古いレンガが、できるだけ自然に馴染むこと」です。補修では、既存のレンガとまったく同じ製品が残っているとは限りません。特に古い建物では、製造メーカーが分からなかったり、すでに廃番になっていたりすることもあります。また、他社で製造されたレンガを、私たちがまったく同じようにつくることもできません。そのため実際の補修では、既存のレンガにできるだけ近い「似たもの」「代替品」をご提案することがほとんどです。
写真からレンガを探すことが多い
補修のご相談では、「このレンガに似たものはありませんか?」と、現場写真を送っていただくことがよくあります。私たちメーカーが現地まで確認に行ければ一番良いのですが、全国各地の現場へ足を運ぶことは現実的には難しく、多くの場合は写真や寸法などの情報から判断します。だからこそ、現地で確認していただきたいポイントがあります。今回は、代替品を探すときに特に大切な2つのポイントをご紹介します。
ポイント①「基準となる色」を一緒に写す
写真だけでレンガの色を判断するのは、実は簡単ではありません。晴れの日と曇りの日では色の見え方が違いますし、日向と日陰でも変わります。さらにスマートフォンやカメラが自動的に明るさや色味を補正していることもあります。そこで役立つのが、「基準となる色」です。岡田煉瓦では、「赤煉瓦」を色の基準として使うことがあります。比較的色が安定している赤煉瓦を一緒に写しておけば、「写真全体が少し黄色く写っている」「実際より明るく補正されている」といったことを判断する手掛かりになります。これは、私たちがカタログなどの色見本を撮影するときにも使う考え方です。補修するレンガだけを大きく撮影するのではなく、色を比較できる基準となるものを一緒に写す。これだけでも、写真から色を判断する精度は大きく変わります。また、撮影時に「晴れ・曇り」「日向・日陰」といった条件も教えていただけると、さらに判断しやすくなります。
ポイント② 汚れを落として「レンガ本来の色」を見る
もう一つ重要なのが、汚れを落とした状態を確認することです。長年使われてきたレンガには、土やほこり、苔など、さまざまな汚れが付着しています。その状態だけを見て色を合わせようとすると、実際のレンガよりも暗い色やくすんだ色を選んでしまうことがあります。レンガは焼き物です。表面だけに色を塗っているものではないため、一般的なレンガは年月が経っても素材そのものの色が大きく退色するものではありません。一方で、表面の汚れによって色が変わって見えることはあります。そのため補修する際には、一部でも構いませんので汚れを落とし、レンガ本来の色が分かる状態で写真を撮っていただけると、代替品を選びやすくなります。「現在どう見えているか」だけでなく、「このレンガは本来どんな色なのか」を見ることが大切です。
「基準となる色」と「汚れを落とす」
補修用のレンガを探すとき、ぜひ覚えていただきたいのが、この2点です。
① 基準となる色と一緒に撮影する
② 汚れを落とし、レンガ本来の色を確認する
ほんの少し現地で確認していただくだけですが、この情報があることで、私たちメーカーがご提案する代替品の精度は格段に上がります。もちろん、色だけではなく、レンガの縦・横・厚みの寸法や、表面の質感など必要な情報となります。
一つの現場をつくる仲間として
私たちレンガメーカーが、補修する現場へ直接足を運べる機会は多くありません。だからこそ、現場を確認する施工会社や商社の皆さまからいただく情報が、とても重要になります。メーカーと商社。売り手と買い手。それだけの関係ではなく、一つの現場をつくる仲間として、それぞれが持っている情報や知識を持ち寄る。そうすることで、より自然に馴染む補修ができるのではないかと考えています。
「このレンガに似たものはないだろうか」
そんなときは、ぜひ写真を撮る際に、今回ご紹介した2つのポイントを思い出してみてください。いただいた情報を手掛かりに、私たちもレンガメーカーとして、できる限り現場に合ったレンガをご提案します。





