OKADA BRICK 岡田煉瓦製造所

Column

コラム

「謹製」という言葉に込めて

受け継がれる、
 ものづくりの姿勢

2026.08.21

岡田煉瓦は、15人ほどの小さなレンガメーカーです

「岡田煉瓦はどんな会社ですか?」

そう聞かれたとき、1897年創業のレンガメーカーです、とご紹介することがあります。長い歴史があるため、大きな会社を想像されることもありますが、実際の岡田煉瓦は15人ほどでレンガをつくっている小さなメーカーです。原料を扱う人、レンガを成形する人、窯を管理する人、焼き上がったレンガを選別・梱包する人、そしてお客様とやり取りする人。少ない人数で、それぞれが役割を担いながら工場を動かしています。

小さな会社ですが、月40万個をつくれます

会社の規模は小さいですが、レンガの製造能力は決して小さくありません。岡田煉瓦では、トンネル窯を中心とした製造設備によって、1か月に最大約40万個のレンガを生産することができます。私たちがメインとしているのは、道路や公園、広場、建物の外構などに使われる舗装用レンガです。同じ形状のレンガを安定してつくることは、現在の設備が得意としているところでもあります。自分たちが持っている設備と技術を生かし、できるだけ無駄なくレンガをつくる。それが、現在の岡田煉瓦のものづくりです。

得意なことも、苦手なこともあります

もちろん、何でもできるレンガメーカーではありません。例えば、レンガを一つひとつ切ったり接着するような加工は、私たちの得意分野ではありません。少ない人数で製造ラインを動かしているため、工場の人員を加工に回すことが難しいからです。そのような仕事については、必要に応じて協力会社の力を借りながら対応しています。私たちは、自分たちの強みと弱みを理解することも大切だと考えています。すべてを自社で抱えるのではなく、得意なことはもっと伸ばす。苦手なことは、得意な会社と協力する。そのうえで、お客様にできるだけご迷惑をおかけしない方法を考えていきます。

「舗装レンガなら岡田」と言われたい

岡田煉瓦が特に得意としているのが、舗装用レンガです。私たちは、何でもできるレンガメーカーを目指しているわけではありません。それよりも、

「舗装レンガなら、岡田に相談してみよう」

と言っていただけるメーカーになりたいと考えています。色、強度、形状、焼き方。長年レンガをつくってきた経験を生かしながら、舗装材として安心して使えるレンガをつくり、その魅力や使い方まできちんと伝えていく。得意なことを、もっと得意にする。それも小さな会社が生き残っていくための、一つの方法だと思っています。

私たちがつくりたいのは、少し地味なレンガです

岡田煉瓦のレンガは、決して派手ではありません。たくさんの加工を施してレンガそのものを目立たせるというより、土を焼いた素材そのものの色や質感を、できるだけ素直に引き出したレンガをつくりたいと考えています。特に舗装レンガは、建築の主役になることは多くありません。建物の足元や公園、広場、歩道などに敷かれ、人がその上を歩いていきます。雨に濡れたり、土がついたり、何年も何十年も人に踏まれたりする。その場所にあることが、いつの間にか当たり前になる。私たちがつくっているのは、そんなレンガです。でも、脇役だから価値が小さいとは思っていません。

足元から、景観の価値を上げる

建物の周りにどんな素材を使うかによって、その場所の印象は大きく変わります。レンガは主役の建物を邪魔することなく、その建築を引き立て、植栽や周囲の景観とも自然になじんでいきます。そして年月が経つことで、さらにその場所らしい表情になっていく。私たちは、自分たちのつくるレンガには、建物や景観の価値を足元から引き上げる力があると考えています。そこには、レンガメーカーとしての自信と誇りがあります。

小さいけれど、日本一を目指しています

岡田煉瓦は15人ほどの小さな会社です。それでも私たちは、「日本一の煉瓦メーカー」を目指しています。ただ、私たちが目指している日本一は、売上や会社の規模、生産量で一番になることではありません。私たちが目指したいのは、「レンガといえば、岡田煉瓦」と、思い出してもらえる存在になることです。レンガを使ってみたいとき。レンガについて分からないことがあるとき。「こんなことできる?」と相談したいとき。そんなときに、「まず岡田煉瓦に聞いてみよう」と思ってもらえる。そんな身近な存在としての日本一を目指しています。そのためには、レンガをつくるだけでは足りません。レンガのことを真剣に考え、受け継いできた製造技術を次の世代へつなぐ。そして、レンガの魅力や使い方、できること・できないことまで、分かりやすく伝えていく。私たち自身が、レンガの面白さや可能性を伝える「レンガの語り部」になりたいと思っています。

そして、岡田煉瓦が掲げるビジョンが、「日本全国に物語をつむぐ」です。私たちがつくった一個のレンガが、住宅の庭になったり、公園の道になったり、街の風景になったりする。そこを人が歩き、暮らし、やがてその場所に新しい物語が生まれていく。そんな仕事を日本全国に少しずつ増やしていきたいと思っています。日本一を目指す。でも、遠い存在にはならない。むしろ日本一を目指すからこそ、「ちょっとレンガのことを聞きたいんだけど」と気軽に声をかけてもらえるメーカーでありたい。それが、岡田煉瓦の目指す「日本一の煉瓦メーカー」です。小さな会社だからこそ、得意なことを磨く。そして今日も、一個一個、レンガをつくり続けています。

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